3.前年の入試結果に対する受験生の好感と敬遠(倍率や入試難易度などの変動)

前年の入試結果に対して受験生がどのように動くかということについて説明していきます。

実質倍率は、(受験者数)÷(合格者数)で表され、定員や応募者の増減などによってこの数値は動いてきます。一般的には、受験者層が変わらなければ、実質倍率が上がるとボーダーが上がり合格者の層も上昇するため、「前年よりも難しい入試だった」ということになります。入試難易度、言い換えれば偏差値が上がったということです。

前年の実質倍率が上昇→次年度は敬遠により応募者が減少、実質倍率が低下→好感により応募者が増加という動きになるのが普通です。

しかし、前述してきたように入試が動く要因はいくつかあるため、これらの要因が絡み合い応募者の増減に影響を与えることになります。たとえば、前年の実質倍率上昇による受験生の敬遠が、大学合格実績伸長への好感と相殺されたため、前年と同じ程度の倍率に落ち着くこともあります。このケースの場合は、敬遠でチャレンジ層が抜け、大学実績向上で上位層が増えることが多く、倍率が変わらなくても偏差値は上がることになります。